事例で学ぶ借地権(ケーススタディその1)
「相続した借地を売却したい」と思ったら・・・。
- ○相談者
- :50代の女性
- ○借地相続人
- :ご本人+妹お二人。
ご相談内容
- ・ご相談者本人の実母が亡くなり、ご実家の借地を相続することになったが、相続人のすべてが既に独立して持ち家を所有されており、現在は、空き家のまま放置してしまっている状態。
- ・地代を支払いし続けてきているだけなので、不動産業者に依頼して売却しようとしたところ、不動産広告を見た地主さんから「何にも聞いていない。」「承諾もなしに、勝手に売却するな。」と責め立てられててしまった。
- ・地主さんがご立腹され、話がさらにこじれた結果、地主さんから「今後一切、承諾しない。」と言われ、当社には、困り果ててしまっている様子でご来社。

ご相談経過と当社の動き
- ・当社に相談に来られ、借地権問題の専門スタッフと協議した上で、当社で「買取り」することを前提に、地主さんとの交渉をスタートすることに。
- ・地主さんには、「各種承諾料」や「新しい地代」を盛り込んだ『譲渡承諾願書』を書面で提出しつつ交渉に臨み
結果
・複数回の交渉を重ねた末に、地主さんから承諾を頂くこととなり、正式に、当社が借地人さんから借地権を買い取り致しました。

◎借地権問題を解決するポイント
借地権を「売却したい」と思ったら、
「借地権のプロ」に依頼すべし!
不動産業者の中には、実は「借地権」の取り扱いに不慣れな方々も多いです。地主さん側の事前調査もなしに、「借地権の買い手が見つかってから、地主承諾を貰えば大丈夫」と甘く考えていたり、ひどい場合には「借地非訟(※)をすれば、裁判所から許可を貰うことができる」と身勝手な考えをもった業者も少なくありません。
地主さんにとっては、新しい借地人と新しい借地契約を締結することになりますし、借地権譲渡にかかる承諾料は大切な収入源でもあります。つまり、借地権を譲渡するということは地主さんにとってもとても重要なこと。売却前に諸条件(新契約)を整える事が必須。
「借地権」は、あいまいな権利とさまざまな制約がありますから、不慣れな業者に依頼すると取り返しのつかない状況に陥ってしまいます。当社では、借地権専門の担当者が借地人さんに寄り添い、問題解決まで責任をもって業務に当たらせて頂きます。
※「借地非訟」とは、地主さんの承諾が貰えない場合に、相互の事情をしっかりと審理の上、裁判所が地主さんに代わって許可をすることです。