借地権相続を考えるポイント
準備不足が招いたトラブルの代表例(その2)
借地契約の解除
相続が発生するまで、親が借地権を持っているなんて知らなかった。
・・・なんてことも良く耳にします。

他界した父親の遺産を整理する過程で、東京都内某所の好立地に、借地権を保有していることを知り、不動産業を営む親戚とともに現地視察をすると老朽化した古民家が雑草が生い茂った庭の中に埋もれて建っていたと話す、借地相続人のAさん。
その場で、親戚の不動産会社に処理を依頼したところ、借地権割合から「8,000万円」で売却可能とのことで、借地権譲渡承諾を地主さんに相談。
地主さんからは「2,000万円」 であれば買い戻すとの回答をいただいたものの、買い戻し金額が想像以上に安価であったため、そのままズルズルと約6ヶ月間の地代支払いを拒否。
これがトラブルの引き金となり、以降、地主さんから門前払いを受け、さらには地代不払いを理由に、借地契約解除の催告を受ける事態に陥ってしまった。
そこで、途方に暮れかかっていたAさんは、当社の借地権チームに相談。
当社が間に立ち、まずは謝罪訪問し、地代不払いの即刻中止の確約をお伝えして、契約除という最悪の事態は回避。
後日、借地相続人と当社間において、当社が借地権購入する協議を進めていることを地主さんへご挨拶に伺ったところ、逆に、地主さんから借地権の買い戻しを希望されていることをあらためて打診があった。
その旨、借地人さんに報告し、その後においても当社が誠意をもって介入させていただき、地主さんと借地人さんの双方においてご納得いただける金額設定にて契約を締結することとなった。
借地権相続のお話が、いきなり自分自身に降りかかってしまった場合、Aさんのように、困惑してしまって何をどうしたらよいか、すぐには判断できないことも多いことでしょう。
Aさんについて申しあげれば、ご父堂と生前に何かしらの団欒の場で、借地権に関する会話があがっていれば、事前の対策を講じることもできたかもしれません。
いずれにしても、借地権問題については、トラブルになる前のできるだけ早いタイミングで、借地権に詳しい専門チームにご相談されることをおススメめします。